地域に根ざした在宅医療-ホームケアクリニック麻生の歩み-
こんにちは、ホームケアクリニック麻生の井尻学見です。
患者さんと在宅医療をつなぐプラットフォーム「おうちde医療」による、2023年8月〜2024年7月の北海道における在宅看取り件数ランキングが発表されました。私たちホームケアクリニック麻生は、北海道全体で13位、札幌市内で10位、そして札幌市北区エリアでは2位という結果でした。
開業してすぐから全力で
当院は、2023年2月に私を含め医師2名、看護師2名、リハビリ1名、事務2名の計7名でスタートしました。はじめはクリニックの名前を知ってもらうことから始め、少しずつスタッフを増やし、「人とつながり、人と生きる〜人に感謝し、人を尊重し、人を尊敬する〜」という理念を大切に日々精一杯おこなってきました。
その結果、2023年8月〜2024年7月までの1年間で、当院は80件の看取りを行いました(そのうち自宅での看取りが70件、施設での看取りが10件でした)。これは、患者さんとそのご家族が「最期まで自分らしく」過ごせるよう、私たちが尽力してきた結果のひとつであり、多くの方々に在宅医療を選択肢として考えていただけた証でもあります。
そして、当院がここまで診療件数を伸ばすことができた背景には、地域の病院さんやケアマネジャーの方々のご紹介がありました。「あのクリニックなら安心だよ」と人から人へ当院を知っていただき、診療を選んでもらえたことに、心から感謝しています。
地域とのつながりを大切に
地域の方々との交流においては、私自身もさまざまな取り組みに参加しています。
札幌市北区で開催された「フレイル予防の市民講座」では、訪問診療とは何か、どのように受けられるのかを町内会の皆さんに向けてお話しさせていただきました。市民の皆さんの困りごとを伺いながら、地域のなかでどう支援できるかを一緒に考える時間となりました。
また、月1回、私が所属している地域包括支援センターでは、介護職の方々と一緒に事例検討会を開いています。医療・介護の垣根を越え、「どうすれば地域で安心して暮らし続けられるのか」を本気で話し合っています。
地域に根差したクリニックを目指して
当院では、医師・看護師・リハビリスタッフがチームとして一人の患者さんを支えています。主治医だけではすぐに対応できない場面もある訪問診療において、複数名で患者さんの状態を見守ることで、より細やかで安定した医療が可能になると考えています。クリニック全体で患者さんを理解し、支え合う仕組みをこれからも大切にしていきます。
そのうえで、また皆さんに客観的に評価していただいた証として、今後のランキングも真摯に受け止め、引き続き地域に貢献できる医療機関であり続けたいと考えています。
「最期まで、その人が望む生活を支えられるクリニックであり続けるために。」
ホームケアクリニック麻生の井尻学見でした。