実はいろいろある訪問診療のルール
こんにちは、ホームケアクリニック麻生の院長、井尻学見です。
「訪問診療は、家に来てもらう医療」と聞くと、とても自由度が高いものに感じられるかもしれません。しかし実は、訪問診療にはいくつかの決まりごと(ルール)があり、その中で成り立っています。
今回は、患者さんやご家族から質問を受けることの多いポイントを、分かりやすくご紹介します。
ショートステイ時に注意したい『30日ルール』
在宅医療を利用している方がショートステイを使う際に、知っておいていただきたいのが「30日ルール」です。これは、ショートステイなどを30日以上連続して利用した場合、その期間中は訪問診療が原則として行えなくなるという制度上の決まりです。
これは「診てもらえない」という意味ではなく、医療保険の取り扱いによるものです。そのため、長期間の利用を予定している場合には、訪問診療の関わり方を一時的に調整する必要が出てくることがあります。
「この使い方で大丈夫だろうか」と迷ったときは、事前に担当のケアマネジャー、もしくは当院のソーシャルワーカーへご相談ください。状況に応じて、医療と介護が途切れないよう調整できる場合もあります。
診療できる範囲の目安『16km圏内』
訪問診療は、あらかじめ定められた範囲の中で行われます。一般的には、医療機関からおよそ16km圏内が目安です。これは、緊急時の対応や継続的な診療を安全に行うための決まりです。
当院では、札幌市北区を中心に、中央区・東区・西区・手稲区の一部、石狩市南部の患者さんのご自宅や施設へお伺いしています。札幌市での16Km圏内はとても広範囲となり、当院よりも適切な近場の医療機関があることもあります。
当院での訪問診療範囲であればもちろん、場所によっては連携している在宅医療機関へお願いしすることもあります。そんなお困りごとも当院のソーシャルワーカーが相談に乗ります!調整が必要なこともありますので、まずは一度ご相談ください。
定期訪問の時間帯と、往診の時間帯は異なります
当院の訪問診療は、平日9:00〜17:00の間に行う定期的な診察です。一方、急な体調変化があった際の往診は、状況に応じて24時間365日対応しています。
ご連絡先は、クリニックの診療時間内は代表電話へ、診療時間外は緊急連絡先へと、時間帯によって異なります。訪問診療を開始する際に、緊急連絡先についてもご説明しています。
医療保険と介護保険、両方が関わります
訪問診療は基本的に医療保険を使って行われますが、在宅療養では介護保険も関わってきます。その一つが「居宅療養管理指導」です。これは、医師が訪問診療の中で行う医学的な助言や療養上の管理について、介護保険で評価される仕組みです。
居宅療養管理指導では、患者さんやご家族への説明に加え、ケアマネジャーや訪問看護師など多職種との情報共有も重要な役割となります。医療と介護が連携しながら、その方の生活を支えるための制度です。
ルールがあるからこそ、安心して続けられます
訪問診療にはいくつかの決まりがありますが、それは制限するためのものではなく、安全に、継続して医療を届けるためのものです。実際には、それぞれの状況に応じた判断が必要になる場面も少なくありません。
「自分の場合はどうなるのだろう?」
「これは訪問診療の対象になるの?」
そんな疑問があれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。
ホームケアクリニック麻生の井尻学見でした。
