訪問診療クリニックの医療アシスタント
こんにちは、ホームケアクリニック麻生の井尻学見です。
今回は、当院の診療チームに欠かせない医療アシスタントさんについてご紹介します。
医療アシスタントの役割
当院は訪問診療を中心に行っており、ご自身で通院が難しい方のお宅に伺い、診察をしています。その時には、医師、看護師、医療アシスタントの3人が1組の診療チームとなり、クリニックより出発します。医師と看護師、または最低医師だけでも訪問診療が成り立つのではないかと考える方もいるのではないでしょうか。
当院が3職種の3人1組のチームで動いている理由は2つあります。
1.医師にとって安心できる医療を提供できる空間づくりのため
僕にとって訪問診療車は、医師や医療機器を運ぶための大事な空間です。まさに「人の乗った訪問診療車＝移動する医療クリニック」なのです。診療車で患者さんのお宅にお邪魔して診察を行います。その際、患者さんのお部屋に、クリニックの診察室と同じ空間を設置して診療を行うイメージを持っています。
では、一般的な通院するクリニックを想像した時はどうでしょう。
医師がいて、看護師がいて、受付やクリニックの中の業務をしてくれる事務がいます。僕にとって、安定し安心できる医療を提供できる空間をつくることで、しっかりとした医療を提供できると考えています。
そのために、診察をする医師、診察補助をする看護師、診察前後に出てくる事務作業を担う医療アシスタントが診療の場に必要なのです。
2.患者さんやご家族と丁寧に向き合うため
僕は、診療の際に患者さんとなるべく丁寧に向き合い診察したいと思っています。患者さんやご家族の訴えや生活の様子、困っていることをじっくり聞く時間を長くし、診療や治療に集中したいからです。
患者さんが、ベッドに横になっていれば、ベッドの脇に伺い、お話や診察を行います。座っていれば座って、狭いところにいらっしゃれば、狭いところで診察が必要です。
ただ、医療ですのでその記録をすべてカルテに記録しないといけません。医療アシスタントは、医師の話していること、看護師と家族が話していること、患者さんが話していること、
診察の記録（胸の所見や腹部の所見など）、処方箋の記載をリアルタイムで行ってくれます。
時には、聖徳太子のように、診察で飛び交う情報をキャッチし、的確に記録してくれます。この記録があることで、医師は診察や話しに集中したり、はたまた診察中の治療方針を悩んだ時の調べものなどを行うことができます。
少しでも患者さんやご家族と向き合って対話をすることが、医療の質を高めるためにも大切です。また、役割分担をして効率的に診療をおこなうことで、より多くの患者さんを受け入れることも可能になります。
「患者さん自身が望む場所で生活したい」という想いを支えることを目標としている当院にとって、患者さんと向き合える大切な時間を確保するためには、医師や看護師だけではなく、医療アシスタントは診療チームに必要な職種なのです。
医療アシスタントの仕事
当院の医療アシスタントは、医師の事務作業の補助や代行をしています。具体的には、クリニックから訪問先への運転、診療中のカルテ入力、医師の指示のもと処方箋や書類の作成など診療内容に関わる事務を行います。
カルテ入力や処方箋作成には医療用語などが使われますが、医療行為は行わないため、未経験や無資格でもアシスタントとして働くことができます。そのため、当院のアシスタントは医療を専門として学んでいない方もいますが、入職後に知識を習得しながら業務にあたっています。
最初は、医療用語を聞いていても外国語を聞いているような印象を受けるかもしれません。一つひとつ言葉を覚えて、医療者としてコミュニケーションを取っていける医療アシスタントに成長してほしいと思っています。
また、医療を知らないところから学んでもらうことで、より患者さんやご家族に寄り添った対応ができるのではないかとも思っています。医療アシスタントの仕事は、非常にカバーする範囲が広いです。在宅医療というスキルを持った医療アシスタントに成長してもらいたいと思います。
診療の最前線に出ていきますので、患者さんやご家族が、当院の医療アシスタントの顔を覚えてもらい、温かいお声をかけてもらうこともあります。
このように、当院の診療を代表している診療チームメンバーの一人として、今の医療アシスタントのメンバーには働いてもらっています。
ホームケアクリニック麻生の理念、理想とする医療に共感し、前向きに学んでいける方は現時点で知識や経験がなくても大歓迎です。ぜひ一緒に地域の医療を支えていきませんか。
ホームケアクリニック麻生の井尻学見でした。
