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社会にちりばめられた支援を、生活につなぐMSW

[2026.02.08]

こんにちは、ホームケアクリニック麻生の院長、井尻学見です。
今回は、当院で働く医療ソーシャルワーカー(MSW)についてお話しします。

 

訪問診療において、医師や看護師が「医療」を担う存在だとしたら、MSWは、患者さんと社会をつなぐ「最初の窓口」であり、「最後まで伴走する調整役」です。今回は、実際の支援を通して感じている、当院のMSWという仕事の奥深さと魅力についてご紹介します。

 

患者さんにとっての「入口」になる仕事

患者さんやご家族にとって、役所、病院、施設、制度は、とても複雑でわかりにくいものです。 当院のMSWは、「当院で何ができるのか」「この方にとって、どんな支援が必要なのか」をかみ砕いて伝え、医療と社会資源をどう組み合わせれば生活が成り立つのかを一緒に考えていきます。

単に情報を並べるのではなく、その人の背景や価値観、これまでの人生を踏まえたうえで整理していく。ここに、MSWという仕事の専門性があります。

 

社会にちりばめられた「サービスのピース」を編集する仕事

在宅医療の現場では、病状の安定や治療だけでなく、 「その人らしい生活」「社会とのつながり」をどう支えるかが、重要なテーマになることがあります。

社会には、医療、介護、福祉、就労支援など、さまざまな制度やサービスが存在しています。しかし、それらは最初から一つの完成した形として提供されているわけではありません。

多くの場合、必要な支援は社会のあちこちに点在する「サービス」の「ピース」として存在しており、それをその人の生活や価値観に合わせて集め、組み合わせ、調整していく作業が必要になります。当院では、その役割をMSWが担っています。

医師と病状や生活状況を丁寧に共有しながら、既存の枠組みにとらわれず、医療・福祉の制度を横断的に捉え直します。必要に応じて、複数の関係機関と連携し、受け入れ体制や緊急時の対応まで含めて一つひとつ確認しながら、「その人の生活に本当に合った関わり方」を形にしていきます。

制度を紹介するだけではなく、今ある制度をどう活かし、どう組み合わせれば、その人の生活が少しでも豊かになるのかを考えること。社会にちりばめられたサービスのピースを集め、 その人だけの形に編集し直していく――

MSWの仕事は、非常に創造的で、チーム医療に欠かせない専門性があると感じています。

 

「知らない」ことで、支援からこぼれ落ちないために

生活が不安定な状況にある方への支援も、MSWの大切な役割です。

日本の社会制度の多くは、「申請しなければ受けられない」仕組みになっています。本来であれば利用できる支援があっても、制度を知らない、相談できる人がいないという理由で、必要な支援につながらないまま医療を受けている方も少なくありません。

MSWは、市役所や相談支援事業所、ケアマネジャーなどと連携しながら、患者さんが安心して医療を受けられる環境を整えていきます。病気だけを見るのではなく、「その方を取り巻く環境そのものを整える」。 それも、私たちが大切にしている医療の一部です。

 

病院のSWと、訪問診療クリニックのMSWの違い

病院のSWは、入退院支援が中心になります。 一方、訪問診療クリニックのMSWは、 患者さんの「生活そのもの」に深く関わることができます。

実際にご自宅へ伺い、暮らしの様子を見て、感じて、対話を重ねる。身近な相談役として関わり続けることで、少しずつ信頼関係が築かれていきます。その信頼は、MSW個人だけでなく、クリニック全体の信用にもつながっていく。「生活」と「メンタル」の両面を支えながら、 密着した医療を提供できることが、当院の強みです。

 

人生の転換期に関わる仕事

MSWは、患者さんのライフイベントの転換期に立ち会う職種です。
病気、生活の変化、制度との出会い。人生の大事な局面に関わるからこそ、責任も大きい。しかしその分、大きなやりがいのある仕事だと感じています。

 

これから一緒に働く方へ

当院のMSWは、日々の業務に加え、ソーシャルワーカー協会の学習会や研修会に参加し、知識や視野を広げることを大切にしています。学びは、支援の引き出しを増やし、人とのつながりも生んでくれます。

私たちが一緒に働きたいのは、「わからないことを、わからないと言える人」。疑問を持ち、考え、行動できる人。 そして、人と関わることに喜びを感じ、患者さんの生活を一緒に見ていきたいと思える人です。

当院は、医師・看護師・リハビリ・MSW・事務と、職種の垣根が低く、多職種連携を体現しやすい職場です。患者さんの「入口」となり、その人らしい生活を支える仕事に、興味のある方と出会えることを、心から楽しみにしています。

ホームケアクリニック麻生の井尻学見でした。

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