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なぜ当院の訪問診療は「月2回」なのか―在宅医療の現場から見える本当の理由―

[2025.10.12]

こんにちは、ホームケアクリニック麻生の院長、井尻学見です。

当院の訪問診療では、原則として月2回の定期訪問を基本にしています。


「そんなに頻繁に来てくれるんですね」と驚かれることも
「そんなにたくさん来なくてもいいですよ」と言われることもあります。
実はこの「月2回」には、大切な理由があるんです。

 

1.病状の変化を早く見つけるため

在宅で療養されている方の体調は、日々少しずつ変化しています。その小さな変化を見逃さず、早めに対応することが、大きな悪化を防ぐ第一歩です。


「昨日まで元気だったのに、急に食事がとれなくなった」

そんな変化は、在宅医療の現場では珍しくありません。定期的に顔を合わせているからこそ、表情や声のトーンの変化にも気づけるのです。その積み重ねが、入院を防ぎ、ご自宅で安心して過ごす時間を守ることにつながります。

 

2.体調の変化を責任をもって支えるため

通院が難しい患者さんほど、肺炎や尿路感染、脱水、褥瘡(じょくそう)などのリスクを抱えています。通院できる方に比べて体調を崩しやすい分、医師が定期的に訪問し、変化を見守ることがとても大切です。

また、当院の体制は「医療度の高い(重い病気の)方だけのため」ではなく、「できるだけ長く自宅で過ごしたい」というすべての方を支えています。複数名の医師・看護師・アシスタントが連携し、強いチーム体制があるからこそ、24時間対応できる体制を整えられ、ご自宅で最期まで過ごしたいと願う方の在宅看取りにも対応できています。

在宅で最期まで責任をもって診るためには、刻々と変化するさまざまな症状に柔軟に対応する必要があります。そのための準備として、月2回の訪問は、私たちにとっても患者さんにとっても大切なリズムなのです。

こうした体制は、在宅医療を始めたばかりの方には「少し手厚いかも」と感じられるかもしれません。でも、私たちはいつ・どんな変化が起きても、かかりつけ医として責任をもって診続けたいと思っています。

 

3.「元気なときから」の訪問も大切に

訪問診療というと、「もう動けなくなってから」と思われがちですが、そうではありません。当院は「一人ひとりが自分の望む選択をとれるよう、医療の面から支えたい」と考えています。

体調が安定している時期から定期的に診ることで、信頼関係が深まり、 万が一のときもスムーズな対応が可能になります。まだ元気なうちからの月2回の診療も、安心して暮らすための大切な時間なのです。

 

今度は「当院の訪問診療の特徴と安心のサポート体制」についてもご紹介します。

ホームケアクリニック麻生の井尻正見でした。

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