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パーキンソン病とともに歩む|転倒を防ぐ在宅リハビリの工夫

[2025.07.20]

こんにちは、ホームケアクリニック麻生の井尻学見です。
本日は、パーキンソン病の方に向けた訪問リハビリの取り組みについてご紹介します。

 

パーキンソン病は中脳のドパミン神経が減少することで、身体の動きがぎこちなくなったり、姿勢が前傾になったり、小刻み歩行になったりする進行性の神経疾患です。特に転倒リスクが高く、「転ばないように」「安全に歩きたい」という声は多く聞かれます。

転ばないための歩き方を伝える

訪問リハビリでは、まず「安全な歩き方」の指導を行います。歩き出しの一歩が出にくく、歩幅が狭くなるため、リズムを意識したり声かけで「足を前に出す感覚」を取り戻します。

 

また「目線を少し上げるだけでバランスが安定する」ことがあります。下を見て歩くと身体が前傾し、つまずきやすくなるため、視線や姿勢の意識だけで歩行の質が変わります。

バランス練習で転倒を予防する

パーキンソン病では、じっと立っている時にも体が揺れてしまったり、重心の位置をうまく保てなかったりするため、バランス能力の低下にも注意が必要です。

 

訪問リハビリでは、狭い足幅での立位保持や、重心移動の練習、歩行中の方向転換など、日常生活で役立つバランストレーニングを行います。ご自宅という「生活の場」で実施することで、実際に困っている動作に即した練習ができるのが大きなメリットです。

 

ご自宅の環境を安全に整える

パーキンソン病では、足が床にすりつくような歩き方になりやすい傾向があります。その結果、小さな段差やカーペットの端でもつまずきやすくなります。

 

訪問リハビリでは、ご自宅の中を一緒に見て回りながら、カーペットやマットを外す・固定する、コード類をまとめる、動線を広く確保する、といった転倒を防ぐための環境調整についてもご提案します。日常生活の「ちょっとしたつまずき」が大きな事故にならないよう、きめ細やかに対応します。

 

一人ひとりに合わせた支援を

パーキンソン病の症状や生活スタイルは、患者さん一人ひとり異なります。当院では、医師・理学療法士・作業療法士が連携し、個別性の高いリハビリを提供しています。

 

病気とうまく付き合いながら、自分らしく暮らし続けることは、決して特別なことではありません。転ばないための工夫や、一つひとつの動作を安全に行うための練習を積み重ねていくことで、日常生活は大きく変わります。

 

病気があっても、家で過ごす日々を安全に、そして前向きに送れるよう、これからも訪問リハビリを通じて力強くサポートしてまいります。

ホームケアクリニック麻生の井尻学見でした。

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