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「食べる」を支える在宅医療へ ― 嚥下・口腔ケアへの取り組み

[2026.07.19]

こんにちは、ホームケアクリニック麻生の院長、井尻学見です。

訪問診療と訪問歯科が連携することで、「お口」と「体」を一体として支える医療が少しずつ形になってきました。

5月からは歯科医師が常勤となり、月曜から金曜まで訪問歯科に対応できる体制になりました。さらに、歯科衛生士も加わり、専門的な口腔ケアや継続的なサポートが可能になりました。

今回は、当院がこれからさらに力を入れていきたい「嚥下」と「食べる力を支える取り組み」についてお話しします。

 

「食べにくい」は小さなサインかもしれません

在宅療養の中で、
「最近、食事量が減ってきた」
「飲み込むのに時間がかかる」
「むせることが増えた」
といった変化が見られることがあります。

一つひとつは小さな変化に思えても、実は嚥下機能の低下や全身状態の変化を示すサインであることも少なくありません。

また、口腔内の衛生状態が悪化すると、誤嚥性肺炎のリスクが高まることも知られています。ご本人やご家族、訪問看護師やケアマネジャーの方が「少し気になる」と感じた段階で関わることができれば、状態の悪化を防げる可能性もあります。

私たちは、こうした小さな変化を見逃さず、「なぜ食べにくくなっているのか」を丁寧に考えることを大切にしています。

 

医科・歯科・リハビリが連携する強み

在宅医療では、全身状態と口腔の状態は切り離して考えることができません。当院では、訪問診療の医師、歯科医師、看護師、リハビリスタッフが日常的に情報を共有しながら関わっています。

たとえば、食事量の変化や体調の揺らぎを医師や看護師が把握し、嚥下の様子や姿勢、食事動作についてリハビリスタッフが評価する。そして口腔内の状態を歯科医師や歯科衛生士が確認する。それぞれの視点を持ち寄ることで、単なる「食欲低下」ではなく、その背景にある要因を多角的に捉えることができます。

医科と歯科が別々に動くのではなく、同じクリニック内で連携できることは、在宅療養中の患者さんにとって安心につながる体制だと考えています。

当院は札幌市北区を中心に、中央区・東区・西区・手稲区へ訪問していますが、地域の中で継続的に関わるからこそ、変化に早く気づき、柔軟に対応できることも私たちの強みの一つです。

 

「食べる」を守ることは、その人らしさを守ること

食べることは、単なる栄養補給ではありません。好きなものを味わい、家族と同じ時間を共有し、季節を感じる。それは生活の楽しみであり、その人らしさそのものだと思います。

歯の治療や口腔ケアだけでなく、「できるだけ長く口から食べる」という目標を、多職種で支えていく。その積み重ねが、ご本人の尊厳や生活の質を守ることにつながると私たちは考えています。

そしてこれからは、歯科医師、看護師、リハビリスタッフがこれまで以上に連携しながら、「嚥下・口腔」を一体として支える体制をさらに強めていきたいと考えています。
「食べること」を支える医療を、当院のひとつの柱にしていきたい。その思いを持って、日々の診療に取り組んでいます。

 

在宅の現場で、「食べること」を安心して任せていただける存在でありたい。それが、今、当院が目指している姿です。

ホームケアクリニック麻生の井尻学見でした。

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