「困ったらここへ」と言われる在宅医療を、チームでつくる
こんにちは、ホームケアクリニック麻生の院長、井尻学見です。
訪問診療を始めて3年が経ちました。
日々の診療の中で、私たちがどのような思いで医療に向き合っているのか、なかなか外からは見えにくい部分もあると思います。
今回は、「私たちが大切にしている在宅医療のかたち」についてお話します。
「生活を支える医療」という考え方
私が訪問診療を始めたきっかけは、「病院では支えきれない生活がある」と感じたことでした。医療は病気だけを見るものではなく、その人の生活や人生そのものに関わるものだと思っています。
この3年間で環境や制度は変わってきましたが、「生活を支える医療を実現する」という考えは変わっていません。
困難なケースに向き合うということ
当院には、他の医療機関で対応が難しいとされた患者さんが多く紹介されます。
独居の方、医療への不信感が強い方、精神的な問題を抱える方、そして「明日亡くなるかもしれない」と言われるような重症の方もいます。
決して簡単な医療ではありませんが、一つひとつのケースに向き合い続けてきた中で、
「ここならなんとかしてくれる」
「困ったらあそこに相談してみよう」
そう言っていただける機会が、少しずつ増えてきました。その積み重ねが、地域からの信頼につながってきていると感じています。
チームで支える在宅医療
こうした医療は、医師一人では実現できません。
診療の現場では、バイタル測定や医療処置を含む診療補助を行う看護師、カルテ入力や処方箋作成、各種書類対応を担うアシスタントが、医師とともに動いています。
そのうえで、総務・医事が診療を支え、MSWが生活背景や制度面を整理し、リハビリ職が生活そのものに介入し、 歯科が口腔や嚥下を支えます。
それぞれの専門性が合わさって、はじめて在宅医療は成り立ちます。
私たちは、
「1人で200点を目指す」のではなく、
「チームで300点の医療をつくる」ことを大切にしています。
チームとして広がってきた体制
ありがたいことに、この数年で医師体制も少しずつ充実してきました。現在は常勤医師が5名となり、非常勤医師の力も加わりながら、これまで3本だった診療ルートを、日によっては5本まで動かせるようになっています。
また、歯科医師も常勤となり、新たに歯科衛生士も加わりました。
口腔ケアや嚥下機能への関わりを含め、より生活に近い部分まで支えられる体制が整ってきています。
在宅医療では、「診る人数を増やすこと」だけが大切なのではありません。
必要なときに必要な医療へつなげること、
急な変化にも対応できること、
そして一人ひとりに丁寧に向き合えること
が重要だと考えています。
そのために、私たちは“規模を広げる”だけではなく、“医療の質を高めるための体制づくり”を大切にしてきました。
これからの在宅医療に向けて
在宅医療は、これからさらに必要とされる分野です。
入院期間の短縮や高齢化の進行により、「自宅でどう過ごすか」は、今後ますます重要になっていきます。
その中で私たちは、地域の中で
「困ったらまず相談してみよう」
そう思っていただける存在であり続けたいと考えています。
特別な経験や技術だけではなく、「人を支えたい」という思いを大切にしながら、これからも地域に必要とされる在宅医療を、チームでつくっていきます。
ホームケアクリニック麻生の井尻学見でした。
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