冬の在宅療養で気をつけたいこと 〜寒い季節を安心して過ごすために〜
こんにちは、ホームケアクリニック麻生の院長、井尻学見です。
冬は寒さや乾燥の影響を受けやすく、在宅療養中の方にとって体調を崩しやすい季節です。今回は、冬の在宅療養で特に気をつけたいポイントをいくつかご紹介します。
冬は「発熱」が増える季節です
年末年始から冬にかけては、在宅療養中の方でも発熱される方が本当に多くなります。原因はさまざまで、インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症だけでなく、脱水をきっかけに尿路感染(おしっこにばい菌がつく状態)を起こすケースや、肺炎が見つかることも少なくありません。
一方で、特別なことをしなければならない、というわけではありません。
手洗い・うがいを行い、しっかり食事をとり、こまめに水分をとりながら、できる範囲で普段通りの日常生活を送ることが、冬の体調管理の基本です。
冬こそ注意したい「脱水」
冬は汗をかきにくく、「水分は足りている」と思われがちですが、実は脱水が起こりやすい季節でもあります。空気の乾燥、暖房による水分喪失、のどの渇きを感じにくい、といった要因が重なり、知らないうちに水分不足になることがあります。
脱水は、食欲低下、便秘、ふらつき、意識レベルの低下などにつながることもあります。こまめな水分摂取を心がけ、「量より回数」を意識することが大切です。
感染症への備え
冬は、インフルエンザや新型コロナウイルスなど、感染症が流行しやすい季節です。
手洗い、手指消毒、室内の換気といった基本的な対策が、在宅療養中の方を守ることにつながります。ご本人だけでなく、ご家族や介護者の体調管理もとても大切です。
適度な室温と乾燥対策
冬の在宅療養では、暖房の使い方も重要なポイントです。室温が低すぎると、体力の消耗、血圧の変動、感染症のリスク増加につながることがあります。
一方で、暖房を強く使いすぎると乾燥が進み、喉や皮膚のトラブルの原因になることもあります。室温・湿度を適切に保ち、加湿器の使用や換気も取り入れるようにしましょう。
特に気を付けたい転倒とヒートショック
寒い季節は、転倒やヒートショックのリスクが高まります。冬は厚着をすることが多く、靴下や重ね着によって足元の感覚が鈍くなり、思わぬつまずきにつながることがあります。また、滑りやすい床や段差も、転倒の原因になりやすい時期です。
さらに、暖かい部屋から寒いトイレや浴室へ移動した際に、急激な温度差によって血圧が大きく変動し、体調を崩すことがあります。特に夜間は、周囲が暗く視界が悪くなるため、転倒やふらつきのリスクがより高くなります。
こうした事故を防ぐためには、住環境を整えることが大切です。手すりの設置や足元を照らす照明の工夫、室内の温度差をできるだけ小さくするなど、環境面を見直すことで、冬の在宅療養をより安全に過ごすことにつながります。
「いつもと違う」を見逃さない
冬は体調の変化がゆっくり進むことも多く、「年のせい」「寒いから仕方がない」と受け止められてしまうことがあります。例えば、以前より食事量が減ってきたり、動きが鈍くなったと感じたり、声かけへの反応がいつもと違うと感じることはありませんか。こうした変化は、加齢や寒さだけでなく、体調不良のサインの可能性もあります。
在宅療養では、こうした小さな変化に早く気づき、早めに相談することが安心につながります。「少し気になる」という段階でも、どうぞ遠慮なくご相談ください。
おわりに
冬の在宅療養では、医療だけでなく、日々の暮らしに目を向けることが欠かせません。当院では、診察の場面に限らず、ご自宅での過ごし方や生活環境も含めて、在宅療養を支えています。寒い季節も、安心してご自宅での生活を続けていただけるよう、これからも寄り添ってまいります。
ホームケアクリニック麻生の井尻学見でした。
お問い合わせ先: 011-600-0813
