訪問リハビリの可能性【後編 】
こんにちは、ホームケアクリニック麻生の井尻学見です。
今回は、訪問リハビリの可能性について、引き続きお話します。
子どものリハビリ
当院では、先天性疾患のある子どものリハビリもしています。
首がすわる、座位ができる、立位がとれる・・・。一つひとつがお子さんの大きな目標になっています。
首が座ると、顔をあげられるため、見ている視界が変わり、おもちゃで遊ぶことが面白くなります。
座位が取れると、座ってご飯を食べられ、座って絵を描くことができるようになります。
立位が取れると、足の筋肉をつけて歩く訓練ができます。
また、医療的ケア児と呼ばれる重度の障害をもったお子さんの中には、体のこわばりを自分でコントロールすることができずに、呼吸が苦しくなったり、唾液を飲み込むことが難しい場合もあります。日常生活では人工呼吸器や持続的な吸引機の使用が欠かせません。そのようなお子さんのリハビリでは、体の緊張を取り除き、こわばりを和らげることで呼吸や嚥下が楽になることが期待できます。
これらのこと一つひとつが、その子たちの人生を格段に広げることができるのです。その子の人生にとって、身体機能をどう拡張していけるか、保護者や整形外科の先生と相談しながら、リハビリを進めています。
なるべく入院期間を短くしたい方
脳梗塞を発症し、入院中にリハビリで機能回復をしてから帰宅される方がいます。脳梗塞の治療が終わってから、機能回復のリハビリ期間は2、3ヵ月ほど~最大6ヶ月かかります。つまり、その間、ずっと入院していることになるのです。
そのような方も、医師のサポートと訪問リハビリがあれば、入院中にリハビリ期間を過ごすのではなく、自宅に帰ってきて過ごすこともできるでしょう。また、「自宅の生活に慣れる」ということを訪問リハビリで練習できるため、スムーズに自宅での生活に戻れます。
たとえば、入院中のリハビリでは自宅環境を想定して模擬的に段差の昇降練習やトイレへの移乗、入浴の練習をします。しかし、体に麻痺が残った状態で退院すると、転倒して骨折等のケガをするリスクが高いという報告があります。
訪問リハビリでは、退院後、早期から自宅の環境に慣れるため、実際に使用する段差の昇降やトイレへの移乗、入浴の練習などを行い、転倒の予防に努めます。また、ご家族には「ここが危ないので注意してください」とアドバイスをしたり、万が一転倒してしまったことも想定し、床からの起き上がり方を指導することもあります。
当院では、医師とリハビリスタッフが密に連携をとれているため、患者さんの病状や生活に合わせたリハビリの提供ができるのです。ホームケアクリニック麻生の井尻学見でした。
実際にリハビリスタッフの声はこちらをご覧ください。
<部門紹介インタビュー>リハビリ部門 | ホームケアクリニック麻生
当院の訪問リハビリについて